BIONICLET 第3話
メトロ・チェイス
ブブブブブブブ・・・
リーダーヴァキの指令を受けたタガラムヌイが、緑ヴァキ目掛けて猛スピードで飛んでくる・・!!
「・・おいおい、なんてこった」
緑ヴァキはそう言うと逃げようとしたが、すぐに追いつかれてしまった!
突然のシュートの流れに驚いたのか、タガラムヌイは足を離し、緑ヴァキは自由になった!
しかしそれに怒ったのかタガラムヌイはシュートの流れに逆らってまで針で攻撃してくる!
「ひぃ〜!さっきより避けづらい!」緑ヴァキはそう言っている最中にも、すでに足に針をかすめられていた!!
太い毒針がシュートを貫き、少しづつ壊れていく。
「ここもあんまりもたなそうだな・・・早くここから出なきゃ!」緑ヴァキはそう言うも、執拗に攻撃してくるタガラムヌイから
逃げることは出来ない。 すると、シュートの壊れた部分が災いし、一瞬スピードが下がり、
その瞬間には毒針が緑ヴァキに刺さっていた!!
「・・うぐあぁぁ!痛ってぇ〜!」緑ヴァキはそう言いながら、力なくシュートにまだ流されていく。
それを隣で見ているタガラムヌイが満足そうに鳴き声をあげる。
その後タガラムヌイはとどめを刺そうと尻尾を構えた!
「・・はあ・・はあ・・一体、どこまで行けばいいのよ〜・・」青マトランが疲れたように言う。
「・・ええ〜っと、島の外、かなぁ・・」黄緑マトランが切れ切れに言った。
ガチャ・・ガチャ・・
「・・へっ?」マトラン達が顔を上げると、目の前には大きな黒い影が!
「けっ・・・またお前か!」緑マトランがリーダーヴァキに向かって呆れたように言う。
「お前ら、先に逃げてろ!」緑マトランが二人に言うと、「・・まさか、あの緑色のヴァキを待つんじゃあ・・」と黄緑が言いかけた。
「絶対戻って来なさいよね・・さっさと逃げるわよ!」青マトランが黄緑を引っ張って急いで去っていった。
「さ〜て、勝負だツノ野郎!」
緑マトランはしばらくにらみ合った後、ボールを置くと、思い切り蹴り上げた!
ゴッ!
「うぃ〜!来たよこの音!」
緑マトランは再び自分のボールが当たった鈍い音を聞いて、挑発するように喜んだ。
それを聞いたリーダーヴァキはゆっくりと立ち上がり・・
何を思ったか、緑マトランを思い切り張り倒し、足でマスクを踏みつけたではないか!
「・・貴様ノヨウナ不良品マトランハ、私ノプライドガ許サナイ」
リーダーヴァキはまだ強く踏みつけている。
「・・うぐぐぐ・・ヴァキが・・こんな事していいのかよ・・!」緑ヴァキは苦しそうに言い続ける。
ゴッ!!
「・・待たせたな!」
再び鈍い音とともに緑マトランが顔を上げると、そこにはさきほどの勇姿―緑色のヴァキが立っていた!
近くで、蹴られたリーダーヴァキがゆっくりと立ち上がろうとしている・・
・・シャァァァァ!
後ろにあった壁を突き破って出てきたのは、さっきのタガラムヌイだった!!
それは再び緑ヴァキに掴みかかった!
「なんだってこんな所に・・・さっき流されたじゃん!?」緑ヴァキがタガラムヌイを離そうとしながら言う。
「・・私ノ任務ハ必ズ失敗シナイ・・!」リーダーヴァキはタガラムヌイを操りながら言う。
「・・・そうかよ!」緑ヴァキはタガラムヌイをはらうと、マトラン達の逃げていった方へと走っていった!
しばらく逃げていくと、そこには巨大な穴がぽっかりと開いていた。
「何だよこれ・・・あいつらどうやって逃げたんだ??」緑ヴァキが穴の前で戸惑っていると、
もうそこにはリーダーヴァキとタガラムヌイが・・
2体はじりじりと迫ってくる・・
「・・どうする?・・俺・・!」緑ヴァキは後ずさりし、穴との間は少しづつ狭まっていく・・
もう後一歩の距離だ。中からよく分からない騒音が聞こえてくる・・・。
・・リーダーヴァキが杖を振ると、タガラムヌイが思い切り針を刺そうと突っ込んできた!
・・緑ヴァキはそれをとっさに避けたが、すでに自分の足が地面についていない事が分かった。
「・・・へ?」
「どわああああああああ!」
緑ヴァキは暗く深い穴へと落ちていった・・―
あれからどのくらい落ちた時だろうか・・・。
・・穴の途中で、パッと何かに引っかかった・・・いや、手を握られたような感じであった・・。
「・・あ、あぶねぇ〜;もう少しで落ちる所だったぜ・・」上から先ほどのマトラン達の声がする。
「・・タ、タコス〜;もう腕がもたないよ〜!」黄緑の声だ。
「・・何言ってんのよ!早く引っ張りあげるわよ!!」青がそう言うと、緑ヴァキの体は一気に引っ張られた!
そこは、暗く、緑ヴァキでは立てないほどの小さな穴だった。
「オレはタコスだ。よろしくな!」緑マトランが言った。
「・・・ぼ、僕はレソト。宜しくお願いします。。」黄緑マトランが少しおどおどしながら言った。
「私はガーマトランのトルテよ。よろしく〜。」青マトランが言う。
「・・ところで、あんたの名前は?」タコスが緑ヴァキにたずねる。
「俺の、名前・・・?・・・・・すまねえ、俺は四日前までの記憶が無いんだ・・。」緑ヴァキがうつむき気味に言う。
「・・・よ、四日前・・?それってヴァキの試作型コンテストの決勝があった日じゃ・・・!?」レソトが勝手に驚きながら言う。
「それと何の関係が??」青マトランがつっかかる。
「・・LE-23、レーザックかもしれないって事だよ・・試合中に行方不明になったんだ・・」レソトが無視して勝手に話を進める。
「・・??」前のことを知らない緑ヴァキには全く意味が分からない。。
「そういえば黒いヴァキもなんか言ってたわね・・・」トルテが首をかしげながら言う。
「・・じゃあ、レーザでいいじゃん!!・・」タコスが突然立ち上がって言い出した。
「レーザか・・悪くねえな・・!」 少したってから緑ヴァキが呟く。
「じゃあ決定!!」いいとこ取りされて不満げな二人を尻目に、タコスが大きな声で言った。
「・・だ、脱出用ポッド!?ゴミ捨て場掘る時に忘れていったのかな・・」レソトが呟く。
「なんでもいいけどラッキーだ!!」タコスが脳天気に言った。。
「・・早くしないと入ってくるぞ!!もう突っ込むしかねぇ!!」レーザはそう言うとボトルの中に入っていった。
「もうアイツの頭が入ってきてる!!早くボトルに!!」マトラン達も無理矢理ボトルに入っていく。
「・・・ねぇ!さすがにこれは無いんじゃない!?」トルテが怒りながら言う。
「いやさ、ボトルが二つしかないからs(ry」レソトがなだめようとするがごたごたの中で殴られたようだ。
「ていうかレーザ1人だけ1ボトルなんてズルいぜ!」タコスがボトルの中で暴れながら言う。
「・・いや俺体デカいし・・・」
と、その時岩の崩れる音とともに、耳障りな羽音が洞窟中に響いた!
「・・入ってきた・・!」
「良くやったぞ!みんな!!・・ってどわあぁぁぁ!!」