BIONICLET 第4話
タガ・ルバ島
広い広い海に浮かぶ小さな小さな島、タガ・ルバ島・・。
気候に恵まれ大自然が広がるこの島に、古くから無数の生き物たちが集まり、大きな文明を築いていた・・。
「うわぁぁ!!」
少年はそれが飛んできた勢いで思い切り尻もちをついてしまった。
すぐそこにある筒状のそれは中に何か入っているようだった・・・
「誰か助けてぇ〜!」急に怖くなった少年は一目散に逃げようとした。
すると、声を聞きつけて黄色いマスクを付けた少年と、黒いマスクを付けた青年が森の方から駆けつけてきた。
「タルボ〜!ど、どうしたぁ!」黄色がすぐさま緑の隣まで走ってきた。
「な、何か変なボトルが流れてきたもんで;」緑が冷汗をかきながら言う。
「じゃ、ちょっと開けてみるか・・・?」
黄色はそう言いボトルに近づこうとすると、後から来た黒マスクの青年に槍で止められた。
「待てお前ら、少し様子を見よう・・・」黒マスクはそう言いながらボトルをにらむ。
「・・・・・ん・・・?」
「何の変化もないな・・・突いてみるか」黒マスクはそういうと、ボトルの淵を槍でつついて見た。。
バシュッ!
「・・え?」緑は不審な音のしたボトルに近づいてみた。
「・・・痛ってぇ・・・!・・ん?・・」
「・・・・・・ど、・・どうも・・・;」
「・・・・・って、ぎゃぁぁぁ!!・・お、お化けぇぇ!」
ボトルの蓋を吹き飛ばして出てきたのはタコス達だった!
タコスと少年はお互いを怖がりながら後ずさりした。
「あわわわ・・・皆起きてくれ・・;」特に怖がっていたのはタコスの方であった。
相手がツラガなんかよりも細かったのだから無理もない。
「だ、誰なんだ・・?このお化けちょっと太ってるぞ」少年が小声で言った。
「・・こいつら、まさか・・・!」見ていた黒マスクがそこまで言いかけると、緑マスクの少年をどけてタコスに近づいてきた。
「お前ら、ヤツらの仲間だろ・・!!」 黒マスクが怒こりながら槍を突き付け怒鳴る。
「・・ヤツらって、誰だよ〜何の事だよ〜;」 タコスがビビり気味に言う。
「とぼけるな!!さっさと他の奴を起こせ!!」 「・・・ほ、ほ〜い」タコスはボトルを蹴り飛ばし始めた。
「・・・ここどこなのよ〜」トルテが砂浜を見渡しながら言う。
「・・まったくもう、起きやがれレソト!」タコスはレソトを引きずり出した後、軽く蹴ったら目を覚ました。
「・・・ん?おはようタコス・・」 「うるせえ!今は大変なんだよ!」 「・・うぅ・・」
「これで全員か?」黒マスクがしつこく聞く。
「こ、これで全員だぞ・・・?」タコスは焦りながら言った。
「怪しいな・・・ヤツらの仲間を連れてくるんじゃないだろうな?」黒マスクはまだ疑いの目をかける。
「・・だから誰なのよそれは!?」トルテはいらいらして怒鳴る。
「あの二人組の仲間でないという証拠がない。下手に村に入れるわけにはいかない!」
黒マスクも反発する。
「・・仲間じゃないっていう証拠は背が小さいこと・・」レソトが小声で言うと黒がにらんだ。
「ヤツらの一派ということは生きて返すわけにはいかないぞ!処刑だ!」黒が叫ぶ。
「えぇ〜!?」マトラン達は口ぐちにそんなことを言った。
「・・・待て・・・。」
待ての一言とともに現われたのは、マトランでもなくさっきの少年の仲間でもないような異形の人物だった。
「・・が、ガムっさん・・」黒マスクが少しビビりながら言う。
「流れて来た者をいきなりすべて敵と判断するのは良くないんじゃないか?・・スコッチ?」その人物は槍を手で下げながら言う。
「・・それはそうですけど・・・ガムス、あなただってヤツらと同じ時期に流れてきたんですから、仲間であるとは言い切れません。」
黒マスク、スコッチが弱めに反発する。
「僕が敵だって?ヤツらから一度助けてやったじゃないか。この人たちだって、もしかしたら・・」ガムスと呼ばれる人物が言う。
「あの時はあなただって危なかったじゃないか・・!向こうがあきらめてくれたからよかっただけです・・」スコッチはまだ言う。
「くっ・・・・まあいい、話を戻そう。僕の思う限りこの人たちはヤツらの仲間ではなさそうだが・・・・」ガムスはなんだかんだ言っている。
「・・こいつ案外イイやつかもな・・」タコスが小声で言う。
「・・話の続きはそのボトルの中身を見せてもらってからにしようか?」ガムスが言う。
「・・・・・ヤバくね?」「・・レーザ見たらコイツら何言うか分からないわよ?」「どどどどうしよう・・」
マトラン達は小声でひそひそ話し始めた。
「何をやっている。中には何が入っているんだ!?」スコッチが煽る。
「あ、あぁ〜;このボトルは旅の食料用でして・・・」タコスが何とかごまかそうとする。
「・・・・お前、まさかあの時の・・!」ガムスは静かに、けれども強く言う。
「・・俺の事を知っている奴がいるのか?」レーザにとってはそっちの方が驚きであった。
「・・・お前があの時襲ってきたあいつなら、お前らを島に入れることはできない・・!!」
ガムスはそう言うと、杖を振り上げレーザに襲いかかってきた!
すると、杖が地面についた直後にジャンプしようとしたレーザは、地面がただの砂浜にもかかわらず、
なぜか思いきり滑って転んでしまった!!
「痛ってぇ〜!・・お前、何をした!?」レーザが起き上がりながら言う。
「・・まんまとかかったな!こいつは摩擦の杖だ。こいつでお前を滑りやすくする事も、歩きづらくすることもできる・・・」ガムスが答える。
「そんなん卑怯だぜ・・!!」レーザはすぐに攻撃体制を構える。
「まだやる気か・・?・・分かった、そろそろ終わりにしてやる・・」ガムスも杖を構える。
「・・・そこまでじゃ・・・!」
「・・!?」
レーザとガムスをそう呼び留め、森の方から老父がゆっくりと歩み寄ってきた。
「・・・・ち、長老・・・!」ガムスが少々気まずそうに言う。
「待て。すべて敵とみなすのは良くないと言ったのはお前じゃろう?ガムス?」長老がゆっくりと説き正す。
「・・しかし長老、こいつはあの時・・・」ガムスはそこまで言いかけた。
「・・・それは単なる思い込みではないか、自分で深く考えるのじゃ。 彼らの事情はわしが聞く。スコッチと二人は帰ってよいぞ。」
「・・・・は、はい長老!・・失礼します。」 スコッチと緑マスクと黄マスクの少年は、森の方へと先に帰って行った。
しばらく行くと、森の中の開けた場所に出た。藁ぶき屋根の家が点々とある。村のようだ。
さっきの少年たちに似た姿の者たちがたくさんいて、こちらを見ながらひそひそ話をしている。
「オレたちってそんなに珍しいかな・・・?」タコスが呟く。「そりゃここの人たちみんなガリガリだもの・・」トルテも返す。
「着いたぞ。・・とりあえず上がってくれ。」長老はそういうと、ほかの藁ぶきの家より一際頑丈そうな建物へ入って行った。
「こんな所見たことないぞ・・・」レーザとマトラン達は長老に続いて建物に入って行った。
長老の家に入ると、そこは藁でできた敷物が敷かれている広い部屋だった。
「まあ座れ。」長老がそう言うなり、マトラン達は急に楽になったようにすぐ座った。
「まずはわしから質問させてもらうぞ。何のためにこの島へ来たのじゃ?」
「何のためにって・・メトロヌイでボトルに入って海に落ちたらいつの間にかここに・・」タコスが言う。
「ほう・・・そうか・・本当にそれだけか?」長老がなぜか確認する。
「ほ、他に理由なんて見つかりません・・・」レソトが付け足す。
「それだけだったら村人として迎えてもよいのじゃがの・・・。」長老が呟く。
「・・ちょっと長老!こいつらは何者かよく分からないのですよ!?」ガムスが反発する。
「・・・いや、わしには分かる・・・」長老がガムスだけに聞こえるような声で言ったら、ガムスは拍子ぬけた顔をした。
「次はわしが質問を聞いてやろう。何かあるか?」
「・・ってその前に今オレがどこにいるかとかさえ分かんないだけど・・!」タコスが荒っぽく言う。
「そうか・・ここはタガ・ルバ島。そして我々の種族をタガランと言うのじゃ。ガムスは違うがな・・。
そしてわしはタガラン達の長老、そしてここクルパ村の村長、ゴンポじゃ。この島に住んでいるのは我々だけじゃなく、
崇めるべき神聖なるラヒと、謎の漂流者。おぬし達もじゃ。」
「ほぉ〜。タガルバ島か。はじめて聞いた。漂流者っていうのはどの位いるんだ?長老」タコスがたずねる。
「漂流者は、おぬしたちと、ガムスと、二人組の悪党、くらいだったと思うのじゃが。
まだ知らないうちに来ているものもおるかもしれぬ。」
「・・悪党?」レーザが聞く。 「そうじゃ。奴ら、いつからいたか知らんが、島にずうずうしく居座って、悪さをし始めたようじゃ。」
「・・そしてある日だ、今度は村に直接入ってきて食物を奪いやがった!それどころかラヒの虐待をして楽しみやがって・・・
相手は2人のコンビで、僕一人じゃ歯が立たなかった・・・」ガムスは悔しそうに言った。
「そんなことがあったんですか・・・ラヒを崇めていると言ってましたが、ラヒは危害を加えてこないですか?」
レソトが聞く。
「わしらは、ラヒと完全に共存しておる。・・つもりだった。ヤツらに虐待を受けたラヒは気性が荒くなったものも出てきて、
獰猛なものはより獰猛になってきておる。平和もそう長くは続かないとわしは思う。」長老が苦い顔をして言う。
「あの時僕たちを襲ったトンボラヒももしかしたら・・・」レソトはうつ向き気味にいった。
「・・大体分かりましたけど、どうして長老はそんなにあたしたちに優しくしてくれるんですか?」トルテが思い切って聞いた。
「・・・それは、昔から君らと同じ、マトランを何度も見たことがあったからじゃよ。」長老が静かに答える。
「な、なんだって?そのマトラン達はどうなったんですか?」レソトが聞く。
「・・日に日に島に適した姿に変わって・・今は皆タガランとして暮らしておる。」
「・・じゃあオレたちも!?」タコスが驚きながら言う。 「あぁ・・・なってしまうかもしれんぞ〜」長老が少しからかうように言う。
マトラン達と長老の会話が少しずつ弾んでいる間、レーザは少し考え事をしていた。
「(なんか丁度よすぎないか・・?死にそうになって流れ着いた先が、平和だけど悪党に脅かされてる島・・・
一体俺にどうしろというんだ・・・どうすりゃいいんだ・・・?)」
「・・どうした?おぬしに質問はないのか?」突然長老がレーザに話しかけてきた。
「はっ!え〜っと・・」あせったレーザはとっさに周りを見渡すと、壁際にあった水色に光る神秘的な石が目に入った。
「あれはなんなんだ?」
「これかの?・・これは神の力が宿ったという石ガルバストーンじゃ。もっとも、邪神じゃがな。」長老は軽く説明した。
「邪神??」レーザが聞き返す。 「あぁ。本来はもう一つ石があってな、タルバストーンという善神の石があるはずなんじゃがな。
それで島の平和が釣り合っていたらしいのじゃが、心なしか無くなってから不幸が訪れてきた気がするのじゃ・・。」
「そんなに大事な石が、一体どこへ・・?」レーザはそう言いながらガルバストーンに触れようとした。
バチチッ!
すると突然、レーザの後頭部が激しく輝きだしたではないか!
「ぐあぁぁ!・・これは・・あの時と同じ・・」・・・レーザは以前タガラムヌイと戦った時の輝きを思い出していた・・!
「この輝きは・・おぬし・・・」長老はかなり驚いているようだ。
「うぐぐぐ・・・!なんだってこんなことに・・・!」レーザは自分の後頭部にある空洞に手を突っ込み探り出した!
「まさか・・・!?」長老はそういうと、杖でレーザの頭を軽くたたいた!
レーザの頭の中で、何かがカチッとはずれたような音がした。
・・レーザは、自分の頭の中から外れて出て来た物体を取り出し、長老に差し出した。
レーザ自身かなり驚いているようだ。さっきの石に形がとても似ている。
「・・・これはまさしく、タルバストーンじゃ・・・!」長老は眼を大きくしながら言った。
「なんで俺の頭の中にこんなものが・・・?」レーザは首を傾げている。
「・・確かにおかしいよ、タガルバの宝石がメトロヌイにあったなんて・・・」レソトが呟く。
「流れてきたんじゃないのか?」タコスが脳天気に言う。
「でも頭の中にあるなんておかしいじゃないの・・・?」トルテが答えた。
「・・・・理由はどうあれ、どうやらおぬしらはわざわざここまでこの石を届けに来てくれたようじゃな・・・。感謝するぞ」 長老は言う。
「(・・やっぱりおかしい・・いろいろな事が・・どうして丁度良くこんな石が・・?)」
レーザがまた考えていると、長老の家の扉を乱暴に開けて、さっきのスコッチが突っ込んできた!
「・・・ちちち、長老!大変です!!謎の化け物が・・・」
「何じゃと!?・・おぬしらは少し待っておれ!!」長老はそう言うと、家を飛び出した!
「・・さて、じゃあ僕も行くぞ!」ガムスも飛び出していった!
「・・なんかいろいろあり過ぎてよく分かんないけど、待たないで行くしかないか!?」レーザがそう言うと、
マトラン達も立ち上がり、家を飛び出した!!
そこでレーザたちが見たものは、大きなクモのような怪物が3匹、村人たちを襲っている姿だった!
「シャァァァ・・」
怪物の歯からは毒のようなものが染み出て、いまにも村人に当たりそうである。
すでに何人も失神して倒れていた。 その内の一人に怪物の毒牙が迫る―。
「・・・やめろ!!」
怪物たちは、レーザ達の方に振り向くと、かなりの速さでこちらに走ってきた!!
「上手く引きつけたようだな・・!」レーザはそう呟くと腕から再び刀を出した。
「・・お前たちの力を借りるわけにはいかない・・!!」
ガムスはそう言うと果敢にも一人で立ち向かって行った!!
「こんな奴ら大したことはない・・!」ガムスは摩擦の杖で一匹の怪物を滑りやすくした後、
鈎爪で思い切りひっくり返した!怪物は仰向けになってもがいている・・。
「ふん・・・」ガムスがそこから立ち去ろうとすると、怪物は仰向けのまま噛みつき、ガムスをひっくり返した!
今度はガムスがもがくが、力強い大あごに勝てそうにない。それどころか体に怪物の毒が付着してしまった!
「くそ・・・!」
レーザは何度か怪物の頭を切りつけるが、傷さえもまともに与えることができなかった!
それどころか逆にこちらの刀の方が傷ついていく。
「こいつ・・!」
レーザは渾身の力をこめ一撃を繰り出し、やっと甲羅に傷をつけることができたものの、同時に彼の刀は割れ、
使い物にならなくなってしまった・・!
「なんて硬さだ・・・!」
その時タルボはもう一匹を相手していたが・・・
彼の槍はミシミシと音を立て、今にも割れそうだった! もし割れて牙が自由になればケガでは済まないだろう。
しかし今のレーザには武器がなく、毒牙に素手でかかって行くのも危険であった!
「・・・レーザさん!背中のそれは使えないの!?」タルボは必死にアドバイスをする。
「これか・・?ただ飛ぶだけに使うものと思ってたけど、使ってみるか!!」レーザはそう言うと、
背中に付いていたハサミのようなツールを構え、タルボを襲っていた方の怪物を思いきり切り裂いた!
ギジャァァァァ!
見るとガムス達の方も逃げられたようだ。
「ちきしょう・・・もう少しだったのにぃ!」タコスが地面を叩く。
すると村の入り口の方で、誰かが歩いてくる足音がした。
「ヴィソラックとは・・・ずいぶん厄介なことになりましたね・・・」
レーザたちが振り向くと、そこには青いマスクを着けたタガランが立っていた。
「・・・セント・・!」 タルボが少し嫌そうに言う。
「こんにちはマトランの皆さん。初めまして。僕はセントと言います。」
青マスクのセントは、まずタコス達に挨拶すると、レーザに近づいてきた。
「あなた・・ヴァキですね」セントは少し冷やかすように言った。普通だったら殴ってるところだ。
「・・何故そう分かった?」レーザは軽く睨みながら聞く。
「それは僕が他の島に行ったとき、あなたと同じモノを何度も見たことがあるからですよ。あなたのように喋りはしないでしたが。」
「他の島・・・?メトロヌイの事を知ってるの!?」レソトが訊ねる。
「はい。・・・・・っとその前に長老。 砂浜へ付いてきて来て下さりませんか?マトランの皆さんも一緒に。
見せなければならないものがあるんです。」
セントは急に厳しい声で言うと、砂浜へと歩いて行った。
「なんじゃろうか・・・とりあえず付いて行ってみるとするか」長老とレーザたちは砂浜へと向かった。
付いて行くと、ボトルが最初流れ着いた場所へ案内された。
ボトルの中には見慣れない球形のモノが入っていた。すでに割れているようだ。
「長老。これがなんだか分かりますか?・・・マトランの皆さんはお分かりだと思いますが。」
「・・・君たちの食料かの?」長老はタコスに聞いた。 「ち、違うっすよw」
「・・長老。ふざけないで下さい・・・・これはヴィソラック、先ほどの怪物の卵です!!」
「・・・・な、なんだって!!?」マトランたちは驚いて固まってしまった。
「・・長老。これが何を意味するか分かりますか?彼らはあの怪物を、この島に連れて来た悪人です!」
長老は黙ってセントの予測を聞いている。
「・・ち、ちょっと待てよ!こんなのボトルには入ってなかったぜ!?ただの言いがかりだ!」タコスが反発した。
「ああそうだぞ!僕がボトルの第一発見者だ!一番よく知っているぞ!」タルボも続けて言った。
「しかし後から何者かが卵を入れたとしても、ヴィソラックはそこまで早くは孵化しない。
君たちが海を流れてきた期間、ボトルの中でずっと成長していたと考えれば、時間的にいえばちょうどぴったり合う。」
セントは冷静に返答する。
「で、でもよう、本当に入れた覚えは無いんだって!!」タコスが何とかしようとする。
「とぼけても無駄です・・・もう事は始まっています・・・・。彼らは一度に大量の卵を産む。その繁殖力と言ったら半端ではないでしょう。島に与える損害は甚大と言えます。」
「せ、セント・・!」タルボは少し怒ったように言う。
「長老・・・ 彼らを追放するか、処刑するか。決めてください・・どちらにしろ、ヴィソラックの繁殖力は止められませんが。」
長老はボトルの方を見ながら黙っている。
「・・長老!オレたちを信じて下さい!」タコスがそういうが聞こえていないようだった。
「・・・・わしは・・・彼らがそんな事をするとは思いたくないが・・・もしそうだとしたら・・・・」長老は口を開いたが、そこで止めてしまった。
「彼らは犯罪者だ。これ以上の被害を広げる前に、処刑をしておいた方が・・!」セントは冷徹に言う。
「・・・それならば・・・」長老は決断を下そうとする。 タコス達はすでに絶望している。
「長老!!」
呼び止めたのはなんとレーザだった!
「長老・・!・・俺たちにチャンスを下さい。・・俺たちは決して怪物を運んできたりはしていない・・!
だから、一体何をしたら俺たちが怪物を運んで来ていないということを信じてくれるんだ!?」
「・・・分かった。最初で最後のチャンスをやろう。この一年間であの怪物達を全滅させられたら、もちろん信じてやる。
ただし、一年立っても全滅させられなかった場合は、味方に手加減をしているとみなし、追放する。・・・」
「・・・ありがとうございます!長老。」レーザはそう言ってお辞儀をすると、再び座った。
「君らじゃヴィソラックの繁殖力には勝てないよ・・・」セントが呆れたように言う。
「・・・まだまだそんなの分からないぞ!!オレ達で怪物を連れてきてなんかいない事を証明してやろうぜ!レーザ!」
タコスはそう言うと、レーザに向かって親指を立てた!
「そうね!最後までねばって見ましょう!持ってきてなんかいないんだから!」トルテも立ち上がる。
「そ、そうだね!結局は人助けになるわけだし・・!頑張ろう!」レソトさえも前向きな姿勢を見せた。
「みんな・・・・・よし!俺たちで怪物を倒すぞ!!」 「おう!!」 4人の掛け声が砂浜に響いた―。
ちょうどその頃、近くの暗い森の茂みにて・・・
「兄貴・・・これは・・!?」
赤眼の手に有るのはガルバストーンであった・・・!
「さっきの騒ぎん時忍び込んで捕ってきたんだぜ・・・いいだろぅ? もう一個色違いがあるらしいんだが・・」
「それはぜひコンプリートしたいでげすね!!」 「食玩か!!」
ガハハハハハハハ・・・・・ 下品な笑いがジャングルに響き渡った・・・・。
To be continued...
さすがに長すぎですね(死 書いてて死にそう
眠気がすごいので文法が間違ってると思いますw 次からは多分短くなるので(何